海外研修2011

カナダ アルバータ州
「化石と氷河の研修」


本校がSSHの指定を受けて、最終年となる5年目を迎えることになりました。
これまでのSSH事業の成果を踏まえ、生徒の科学への興味や夢、学習意欲等を更に伸ばすことを目的に
平成21年度に実施した研修と同様のコースで、1週間の海外研修を実施しました。

実施日 2011/7/15(金)〜7/21(木)

参加者 本校希望者
  1年生(4名)・2年生(6名)

引率教諭  2名

研修内容(現地日付)
7/16(土)
  ・ロイアル・ティレル古生物博物館
  ・フードゥ
 Excavate It(化石発掘疑似体験)
 フードゥ渓谷見学

7/17(日)
  ・ダイナソー州立公園
 園内バス研修(化石研修)
 化石展示およびシアター見学

7/18(月)
  ・バンフ国立公園

  ・ジャスパー国立公園
 レイクルイーズ散策
 クロウフット氷河見学
 アサバスカ氷河での実地研修・アイスウォーク体験

7/19(火)
  ・カルガリー
 マリーン渓谷・サンワプタ滝散策
 ボウレイク・モレーン湖散策

研修の様子


生徒の感想

◇私はこの夏、とても貴重な体験をした。カナダのような大きな自然に触れたのは初めてのことだったし、このように大きな外国で自分の知らないことをいくつも知って帰ってこられたことがうれしかった。
 ロイヤルティレル古生物博物館の化石発掘疑似体験では、実際に化石を掘ることができたことで、本当に今自分がいる場所で恐竜が生きていたのだということをより感じることができた。以前恐竜についてのレポートを書いた時に何冊か恐竜についての本を読んだけれど、そのときは「昔は恐竜が生きていた」という実感はわかなかった。福井の博物館に行ったときも、カナダで感じたほど確かな感じはしなかった。今回の化石発掘体験は、私の恐竜の見方をこれまでとはまた違うものにしてくれたとまで思う。
 私は、デスポーズになっている恐竜の化石を見て、これまで博物館などに行ってもデスポーズについて聞いたことがなかったことを不思議に思った。カナダの研修ではデスポーズは死因の推測の根拠の一つになると聞いたのでデスポーズは重要なものではないのかと思った。なぜ日本で聞いたことがなかったのだろう。
 恐竜についての研修は私にとってとてもいいものになった。
 4日目の氷河では、氷河にのぼる前にもっていた氷河のイメージを覆された。私は、氷河はもっと静かで動きが少なくとても寂しげなところだと思っていたけれど、実際の氷河はどうどうと水が流れていて激しい動きをしていた。氷河の水は、これ以上ないというほど透き通って冷たかった。この厳しい環境の中で生きている微生物にはさらに驚いた。一昨年のカナダ研修のプレゼンを聞いて「絶対よく見てきたい」を思ったものの一つがクリオコナイトだったけれど、未だに謎の生物という印象がある。・・・なぜクリオコナイトはあの厳しい環境で生きているのだろう・・・
氷河での測定は不十分なところがあったのでデータから考えることが少し難しくなってしまった。
 今回の研修では、様々なことを学んだと同時に自分の視野はまだまだ狭いと思った。これからものを考えるときに今回の経験を生かしたい。

◇今回の海外研修は私にとって初めての海外でした。日本からアメリカ大陸へ行くまでの10時間のフライトや、アメリカへの入国検査、カナダのカルガリーへ行くまでの飛行機で見たアメリカ大陸の広さ、いろいろ初めての体験をしました。ネイティブの英語は、英会話スクールに行ったりして、ある程度慣れていたので、そこまで緊張せずに話せました。でも、化石発掘疑似体験のときは、だいぶ早口に説明してもらったので、三分の一くらいしか聞き取れませんでした。やはり、まだまだ勉強が足りないなと思いました。
 ロイヤルティレルや発掘疑似体験、国立自然公園では、大昔の恐竜について、アサバスカ氷河のアイスウォークでは、カナダの山岳氷河について、そして地球温暖化の影響を肌で感じてきました。カナダはスケールが大きかったのですが、その分氷河の溶け具合などを見ると、変化は明らかで、今も確実に地球温暖化は進行していると、ひしひしと感じました。恐竜については日本で学んできた以上に吸収することができました。化石発掘の大変さや恐竜の生きていた世界について理解を深めることができました。
 カナダの広大な自然やカナダの自然保護体制にも感動しましたが、何よりも、カナダの人が本当に優しく、文法がめちゃくちゃな私たちの英語をしっかり聞いて、私たちがわからない英語のときは、簡単な英語に言い換えてくれたりして、本当に嬉しかったです。
 一週間、親や日本から離れて、海外で先生方や先輩、友達と過ごして、化石と氷河の研修以外にも、たくさんいろんなことが学べました。自分自身を成長させることができた研修だったと思います。この経験をこれからも生かしていきたいと思います。


2012/1/29 研究成果発表会

発表会資料
 研修全行程

 化石編

 氷河編

発表会の様子